American Organic Denim

花の盛りもあわただしく去り、いよいよ春も深まってまいりました。
皆さまいかがお過ごしでしょうか。

 

新型コロナウイルスの影響で経済も荒れ、不安定な情勢が続いております。
今回のこの騒動でテレビのNEWSでは飲食業や観光業、エンターテイメント産業の
窮状が多く語られていますが、ファッション産業はそれほど多く語られていません。

ファッション業界は概ね、シーズンの半年程前に春夏と秋冬という括りで
年二回の展示会を開催してオーダーをする仕組みとなっています。
今時期に店頭、ECサイトに並んでいる製品はコロナでこれほどまでの騒動になるなんて誰も予想出来ず、オーダーをしているわけなのです。

 

春夏のコロナ騒動での自粛や消費控えは
ファッション業界に大きなダメージが出ています。
誰にも予想できない事態になってしまい、僕らのようなブランドはもちろんですが、
みなさまがいつも贔屓にしているお店もとても苦しい状況かと思います。

 

フィルメランジェからのお願いです。
是非、ご自身のお気に入りのブランド、お店があれば通販や電話などで
少しでも良いのでいつものように購入してあげて下さい。

 

それがお気に入りのブランド、お店を守ることに繋がります。

 

僕らフィルメランジェはファッションブランドとして皆さまへ情報を発信し続け、
こちらのYomimonoを通し、少しでも皆さまの時間を有意義なモノに、
そしてファッションへの意欲、活力、モチベーションに少しでも繋がってくれれば、
そんな思いでこのYomimonoを綴っております。

 

さて、少し暗めのスタートとなってしまいましたが、内容は明るい(?)ので、
是非、最後までお付き合いください。 笑

 

皆さまはフィルメランジェと聞いて、まず最初に何を思い浮かべるでしょうか。
Tシャツ?スウェット?

 

そう、元々フィルメランジェはカットソーを得意とするブランドです。
これまでフィルメランジェではシーズンに合わせ様々な原料の選定、
そしてその原料の良さを最大限に引き出す編み地を探りながら、
生地を開発、モノ作りをおこなってきました。

 

しかし、今回ご紹介するアイテムは『布帛』、いわゆる織物です。

 

 

「編み物、織物と言われても正直よく分からない」、という方も多いでしょう。
まずは簡単に織物と編物(ニット)の違いについて簡単に話したいと思います。

 

織物は基本的に縦糸と横糸が直角に交差して組織を形成し、
編み物はループによって組織を形成します。

 

縦糸と横糸が直角に交じり、隣の糸と密着して平面的に連なって面を形成するのが織地。

 

 

 

 

ループを作り、そのループの次の糸を引っ掛け、

連続してループを作り、面を形成するのが編み地です。

 

 

 

 

つまり一言でいうと織物はテの糸とヨコの糸を交差させる組織。

編物は編目を作って糸を絡ませる組織です。

そんなタテの糸とヨコの糸を交差させる組織、『織物』。

その中で今回は『デニム』をご紹介したいと思います。

 

 

 

フィルメランジェでデニム?あまり馴染みのない方も多いはず。

それもそのはずコレクションでデニムを発売するのは実は初めてなのです。

原料である「わた」の選定から「糸」「生地」「縫製」に至るまで

徹底した自社開発をおこなっているフィルメランジェ。

 

デニムに関してもフィルメランジェこだわりのレシピをたくさん詰め込んでいます。

まずデニムを作るにあたり目指したのはヴィンテージデニムの生地です。

当時の栽培技術や紡績技術・生産背景を考え、

使用するコットンにはオーガニックコットンを使用。

 

オーガニックコットンの中でも繊維長が長く上質な超長綿をブレンドし、紡績。

紡績技術が今ほど発達していない当時のムラ糸を再現する為、

ブレンド具合で糸に表情を持たせています。

それにより現行のデニムはまた違う独特のムラ感が生まれます。

 

 

ヘビーオンスの肉厚生地は丈夫で耐久性に優れ、

めったなことでは擦り切れない強さを持っています。

履けば履くほどに風合いが増し、

履く人の癖や性格、生活スタイルによって他にはない唯一無二のモノとなってきます。

 

一から育てる。まさにデニムの醍醐味ともいえる

経年変化をストレートに感じられる生地となっています。

そんなデニム生地を使用した製品が今シーズン、4型リリースされています。

 

 

まず初めにUS ARMYのデニムトラウザーズをベースに

現代的な仕様にアップデートさせたストレートタイプのACE。

 

 

ACE / エース \28,000(+tax)

1930年代初期に製作されたUS ARMY初のブルーデニム ファティーグ・トラウザーズをモチーフにした、男らしいワイドなシルエットが特徴です。

 

 

 

ウエストはアジャスターでサイズ調整が可能。

 

 

 

迫力のあるポケットとステッチも男心をくすぐりますね。

 

 

 

そしてオーバーオール

 

 

AIDAN / エイデン \42,000(+tax)

 

背面がスッキリ見えるローバック仕様のオーバーオール。

ローバックとはヴィンテージのオーバーオールに見られるディテールで、

後ろ側がウエストの辺りで切れているクラシカルな形のことをいいます。

所説ありますが夏場の蒸れなどを解消する為のデザインといわれています。

 

 

 

ヴィンテージライクな雰囲気でコーディネートのアクセントにもピッタリです。

 

 

 

 

続いてレディース

 

 

AIRY / エイリー \25,000(+tax)

 

 

 

AIMERS / エマーズ \25,000(+tax)

 

ディテールは40~50年代によく見られるランチパンツのデザインを

モチーフに作られています。

 

ランチパンツとは、第二次世界大戦前まで作業着だったデニムパンツを

女性がファッションとして取り入れやすくする為に作られたといわれています。

当時女性のパンツにはサイドにジッパーが付いているのが当たり前で、

センターフロントのジッパーを下ろすのは良くないという意識がありました。

そこで女性が履きやすいように、

また、女性のデニムパンツに対する抵抗を取り除く為に、

フロントに付いていたジップをサイドに付け替え、

男性用と区別したのが始まりといわれています。

 

 

 

パンツ・スカート共にサイドジップのディテールで、

ベルトループやフロントポケットも特徴的。

 

 

 

パンツは膝下から裾にかけてのテーパードシルエットで上品な印象。

スカートは身体のラインを綺麗に見せてくれるセミタイトシルエットとなっています。

 

 

 

それぞれ特濃色といわれる通常のインディゴより更に青の深いブルーと

シンプルで着回しの良いブラックの2色展開です。

 

 

 

いかがだったでしょうか。

カットソーブランドが本気で作ったデニム。

履き心地はもちろんのコト、

デザイン、シルエットなど細部までこだわったデニムは一見の価値ありです。

現在、直営店舗は臨時休業中ですが、

事前にアポイントをいただければ、お試しいただくことも可能です。

※詳細は下記リンクからご確認下さい。

 

自粛の日々で気分の上がらない日も多いですが、

ファッションへの情熱を絶やさぬよう、

これからも様々な『モノ』、『コト』を、ファッションを通し伝え、発信していきたいと思います。

そして事態が終息の日を迎え、日常を取り戻した際には、

また皆さまとファッションについて語り、考え、感じ、悩んだり、高揚したり。

そんな当たり前を楽しみたいと思っています。

一日でも早い復興と皆さまの健康を心より願っております。

 

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