毎年、海の日に合わせてご用意させていただいている「LITMUS×FilMelange」も今年で3年目を迎えました。
今回、LITMUSのご好意で藍染の染色現場を見学させていただけるということで、湘南・鵠沼にある工房に伺いました。
平屋の日本家屋を改築した工房は、どこか懐かしくもあり、風が気持ち良く通り抜けるとても心地よい空間です。
皆さま、藍染の原料をご存知でしょうか。
左から「藍の葉」、藍の葉のみを乾燥させた「蒅(すくも)」、小麦の皮から取れる「ふすま」
これらが藍液の主な原料となります。
LITMUSでは江戸時代を中心に行われていた伝統的な手法、「灰汁醗酵建て」により藍液を作り、染付を行っています。
藍染の染液をつくることを「藍を建てる」と言います。化学薬品を一切使わず、自然界からとれる原料のみを用いるため、布やそれを身につける私たちだけでなく、環境にとっても非常に優しい染色方法なのです。
藍作の現状
日本では、タデアイというタデ科の植物から藍が作られています。現在、合成インディゴの普及や藍染文化の衰退とともに国内の藍の収穫量は年々減少し続けており、後継者不足が深刻な問題となっています。藍作の伝統を絶やさないためにも、LITMUSでは4年前から地元藤沢の農家さんらと協力し、自らも藍の栽培に携わる取り組みを行っています。
すくも
藍作農家が手塩にかけて育てた藍の葉は、藍師(すくも職人)の手に渡り、100日かけて「すくも」と呼ばれる染料に加工されます。この作業は大変な手間と技術を要するので今では伝統を守る作り手はごくわずかです。
藍を建てる
工房の中には濃度の異なる3つの釜があり、藍液の表面には発酵が進んでいる目印の「藍の華」と呼ばれる泡が立っています。
すくもにアルカリの高い灰汁を加え、(藍の葉にもともと住み着いている)還元菌のえさとなる、お酒やふすまを加えて25度から30度に保温しながら、2週間に渡り撹拌します。細かな調整のもと、発酵が進み、ようやく染められる状態となります。
発酵建ては、化学薬品がなかった時代から今に続いている伝統的な手法です。染色工程の中で、藍の色を左右する仕込みの作業が何より重要なのです。
青く見える藍液は実際に手をかざすと濃い茶褐色をしています。空気に触れ酸化した表面部分だけが青く変化し、そう見えています。一度藍液に浸すと手元は全く見えなくなるため、作業には長年の経験と技術が必要となります。
製品染め
製品染めとは製品を縫い上げてから染める方法のことです。洗い加工を施した時に、生地の色合いと風合いに独特な表情が出るため、すでに経年変化しているように見えるのが特徴です。表情豊かな藍染との相性は抜群です。
製品染めを行う際には、素材の特性だけでなく、衣服の仕様についても精通している必要があります。
藍液から取り出し、素早く丁寧に空気に触れさせていくと、黄みの強いくすんだ色から見る間に透き通った青に変化していきます。これは酸化により起こる反応で、とても神秘的な光景です。
藍液の状態を確認しながら、1枚1枚手作業で染めつけるため、素手の感覚がとても大切だといいます。職人さんの手はいつもこのように藍に染まっています。
続く洗いの工程では湯気の立つ熱湯で茶色の色素を洗い落としていきます。洗い・脱水の作業を数度繰り返し、天日干しすることで更に透き通ったブルーが現れます。
「染め」「洗い」「天日干し」の工程を何度も繰り返し、藍染製品が完成します。
日本の伝統的な藍染めはこのように多くの職人の技術と計り知れない労力により生み出されます。他では決して表現できない美しい色味と深い味わいがあります。
こんなにも素敵な藍染で今年はフィルメランジェの定番でもある4型を染め上げて頂きました。
上から、SUNNY、DIZZY、DESI、DARIN。
海の日を目前に控えた7/15(土)より、LITMUS×FilMelangeの藍染製品の販売をスタートいたします。
日本の夏
日本の宝
日本の藍
「ジャパン・ブルー」
今年の夏は、古くから日本人の生活に寄り添ってきた「ジャパン・ブルー」を身に纏い、爽やかに過ごしてみてはいかがでしょうか。
きっと夏の素敵な思い出を運んで来てくれます。
イベント時には今年も日光の天然氷を使用したフィルメランジェ特製かき氷をご用意して、皆様のお越しをスタッフ一同、心よりお待ちしております。
海の日のイベント2017
〈期日〉
7/15(土)カラ 7/17(月)マデ
〈場所〉
神宮前店
渋谷区神宮前2-6-6 秀和外苑レジデンス1階
03-6447-1107
自由が丘店
目黒区自由が丘2-8-9筧ビル1階
03-5731-0185
また、本来は実際に手にとってご覧いただきたい製品ではありますが、多くのご要望により、オンラインストアでも販売させていただくこととなりました。(販売はDIZZYのみとなります。)興味をお持ちの方はぜひご覧ください。