24春夏コレクション裏毛のご紹介
今年の2月の東京の過ごしにくさたるや…
とんでもなく暖かな日が来たと思ったら寒が戻ったり、
春の強い風が温度と共に花粉を運び、私たちの目や鼻を刺激していきます。
そんな春の芽生えも感じる3月、
冬のニットもそろそろお手入れに出す季節に
フィルメランジェ・スタッフが手に取るのはスウェットです。
今年も春夏のスウェットが出揃いましたよ、
というお知らせを兼ねて、作るまでの経緯をすこしばかり記していきます。
裏面がリネン糸のスウェットはここ数年ずっと作り続けてきましたが、
今年に関しては方向性をくるりと変えました。
昨年までのガーゼのような緩さ・軽さの生地とお別れ、
しっかりと着ごたえのある強い生地に仕上げました。
着始めは硬さが前に出てきますが、着倒してもらうほどに柔らかく、
風合い良く馴染んでくれるはずです。
裏面のリネンの機能性は昨年同様に活躍してもらいます。
接触冷感や汗などの発散性はこれまでなんども伝えてきたので割愛です。
着倒すうえで重要な製品としての強度、
これはデザインで解決することができます。
生地を90度倒して裁断、縫製することで大きな縮み、
歪みをおおかた止めることができるという古くからのアイデア。
もうすでに50-60年ほど昔の答えです。
これが現代でも再現され、通用するというのも面白い。
クルーネック、パーカ、ロングパンツに対してこのデザインを投影し、
派生でスカートもデザインしました。
RIVERS / リバース クルーネックスウェット
RAINE / レイン パーカー
RAGUNA / ラグナ ロングパンツ
RATI / ラティブルゾンとショートパンツに関しては横に取ったりせず、
普段通りにデザインしましたが、生地の存在感や色も伴って、
無地だけどしっかりと主張のあるアイテムとなりました。
RANALD / ラナルド ブルゾン
RAINER / レイナー ショートパンツ
一方、綿100%の裏毛の開発も怠っていません。
小社社長曰く「スウェットは起毛が主流だった」とはアメリカのとても昔の話。
スウェットがスポーツウエアだった時代から暑いとか寒いとかは気にせず、
スウェットといえば起毛が掻いてあるものだったのです。
ですがさすがにそんなことも言っていられない現代の夏、
発色が良く、(言わずもがな)着心地もよく、
だけどどこか懐かしく感じるスウェットも作りました。
起毛は無しで。
横に少し伸びやすい風合いも個人的には好みで、
息長く着ることのできるアイテムになったとおもいます。
アイボリー色は昨季の起毛タイプからめでたく継続となり、
相談に相談を重ねたブルーとオレンジ、
少し濃いめの杢グレーの4色展開です。形に関しても、基本的には昨季の起毛していたモデルからの踏襲となっていますが、
スタンドカラーのタイプのみ、良い意味でイナタいモデルをモチーフにした新作です。
VIET / ヴェット クルーネックプルオーバー
VOTTO / ヴォット スタンドカラー
VILI / ヴィリ フードプルオーバー
あとはプリント。
有名かつ人気な構図のペンシルベニア大学モチーフのデザインを少しもじって遊びました。直球アメカジが苦手な方はぜひ。
VIET-PT / ヴェット プリント