奄美大島 〜泥染めの催し〜

 

鹿児島県の離島奄美大島。
鹿児島県本土と沖縄のちょうど中間地点に位置する日本で3番目に大きな島です。
豊かな自然に溢れ、国の特別天然記念物『アマミノクロウサギ』をはじめ、固有の動植物が数多く生息し『東洋のガラパゴス』とも呼ばれています。

自然界の偉大なパワーを感じられずにはいれない奄美大島には神秘的な魅力が詰まっています。

青く澄んだ美しい海にはウミガメやイルカ、島には穏やかな島人たち、龍の目、鶏飯。
魅力をあげたらキリがないそんな奄美大島で1300年、世界で唯一奄美大島にしかない伝統工芸それが「泥染め」です。
世界三大織物のひとつとして知られる大島紬の美しい茶褐色も、この泥染めの色なのです。

 

泥染めの起源は、いくつかの話が伝わっています。

 

草木の液で染める草木染めの方法は以前からあり、

草木染めの着物を翌日洗濯するために田の水に浸していたら偶然きれいな黒色に染まっていたという話。

 

農作業のあと、田んぼの中に着物を置き忘れ、翌日見てみたら漆黒色に染まっていたなど。
他にも田んぼに落ちて、偶然の発見が泥染めの始まりになったとも言われています。

 

 

 

染めに使用する染料はテーチ木(車輪梅シャリンバイ)幹材を刻んで
一度に600キロ程入る大きな釜で熱煎し煎液を取り、
一週間程寝かしてやっと染料として使用出来るようになります。

樹皮や小枝では赤みが少なく、幹材の場合は赤みの多い色合いになります。
一度テーチ木で染めた糸を、鉄分を多く含む泥田で染めることでテーチ木染料に含まれるタンニン酸色素と鉄分が化合し、風合いある黒茶色に染まります。

 

 

 

このテーチ木染め約20回に泥染め1回を1工程とし、
それを約4回(合計80回前後)繰り返します。
しっかりと染料をムラなく浸透させて染め上げるには
気候、温度、湿度という自然と対話をしながらゆっくりと力強く染め上げていきます。

 

こうした計り知れない多くの工程と職人の素晴らしき技術により
科学染料では出せない力強く、そして優しい素敵な色に染めることが出来るのです。

 

 

 

職人の手で一つ一つ染め上げられたフィルメランジェ製品。
今年も『肥後染色』にお力添えいただきご用意させていただきました。

 

 

 

今回の泥染め製品は定番のTシャツに加え、この催しの為に特別にご用意したスウェットとパーカーをお披露目させていただきます。
表糸には空気の遠心力を利用し紡績したオーガニックの空紡糸を、中糸と裏糸には世界各国の良質なコットンを使用した生地で、ふっくらハリ感のある生地は吸い付くような肌触りで病みつきになる事請け合いです。
そんな新型裏毛を新たにラインナップに加え皆さまの元へお届けいたします。

 

 

催し当日には奄美大島から職人をお招きし泥染めの実演をおこなっていただきます。
普段ではお目にかかる事が難しい伝統工芸を間近でご覧いただける機会となりますので、是非ご来店ください。

金木犀の芳香が漂う頃ですが、HOUSE FilMelangeでは
奄美大島の大自然のパワーを感じられるテーチ木の<ツーン>とした匂いを漂わせ、
スタッフ一同、皆さまのお越しをこころよりお待ちいたしております。

 

 

〈期日〉
10/19(土)カラ10/20(日)マデ
11時〜20時
〈場所〉
HOUSE FilMelange 神宮前店
〒150-0001東京都渋谷区神宮前2-6-6 秀和外苑レジデンス1階
03-6447-1107